孤独死について

日時:2025年9月
場所:某警察署
指示と出発
警察からの搬送は「とにかく早く来てくれ」と要求されるらしい。
今日は 某警察署 への出動だった。
事務所からの最短ルートは以前教わったが、まだ覚えていなかった。しかし、今回でしっかり覚えられた。
指定時刻より早く着きそうだったので途中で時間調整をし、定刻に到着した。ご遺族もほぼ同じタイミングで到着された。
受付を済ませ、安置所のシャッターを開けてもらい車をつける。
スペースは狭く、横には白バイがずらり。「これをなぎ倒したら出禁だな」と緊張しながら、慎重に車を寄せた。
ご遺体との対面
ストレッチャーを降ろし、案内されて安置所へ。
ご遺体はシートに包まれていた。シートを開くと、高齢の男性が全裸のまま横たわっていた。
ご自宅で亡くなったため検視が行われ、事件性がないことが確認された後、我々に引き渡されたようだ。
ご遺体は床ずれが目立つ。ハエも飛んでる中で合掌し、血液を拭き、オムツと浴衣をお着せする。重労働だったが、何とか整えることができた。
その後、ご遺体を布団に包みストレッチャーに乗せて霊柩車へ。
車内での出来事
作業後、先輩はご遺族様と何やら会話しており、私は車内で待機した。
戻ってきた先輩が車内に入るなり開口一番「くせ!」と吐き捨てるように言った。
私自身は作業の間に匂いに慣れてしまっていたようで気づかなかったが、少なくともご遺体の前では配慮のある言い方をして欲しいと思った。
搬送とご遺族の様子
ご遺族は、ご遺体のそばには寄らず、離れた所から静かに見守っていた。
私は静かに霊柩車を走らせ、安置所に向かった。
感想
故人は生活保護を受けながら、一人暮らしをされていたようだ。
「一人で最期を迎えたのは寂しいことかもしれない」と一瞬思ったが、逆の見方をすれば、それは「自分のペースで自由に生き切った」ということでもあり、故人の尊厳を守れたのかも知れない。
私はそう思った。