孤独死について
roku
霊きゅう車と億りびと
日時: 2025年9月
場所: 某病院
火災でお亡くなりになった男性の解剖後搬送だった。
火災による酸欠で命を落とし、そのまま炎に包まれたもので、事故として処理されたようだ。
対面したご遺体は黒色の納体袋に包まれていた。ジッパーを開いた瞬間、胸が締め付けられるような思いがした。損傷がひどく、普段のように浴衣を着せて整えることはとてもできない。私達は改めて袋を二重にして包み直し、霊柩車にお乗せした。
ご遺体を前にしても不思議と手は震えず、冷静に作業を終えることができた。ただ、頭の中では「どうしてこんな最期に…」という思いがぐるぐると回っていた。きっと本人も想像すらしなかっただろう。あまりにも無念だ。
裏で聞いた話では、奥様はICUで治療中とのこと。せめて奥様だけでも助かってほしい――そう願わずにはいられない。