葬儀の商品は”こころ”
roku
霊柩車と億りびと
ついに独り立ちして、はじめての搬送。
あれこれ考えると不安にもなるけれど、
事前に確認できることは先輩に聞いたし、あとはやってみるしかない。
失敗したら反省して、次につなげればいい。
「致命的なミスがなければ100点」——そのくらいの気持ちで挑むことにした。
【搬送後】
まぁ、やっぱり失敗はあった。
故人と一緒にご飯とお団子を搬送したんだけど、
それを渡し忘れてしまって……途中で気づいて戻り、無事にお渡しできた。
それ以外は問題なく終えることができた。
まだ伸びしろがある、ということで良しとしよう。
今回の仕事は比較的シンプルな内容だったけれど、
もっと大変な搬送もこれから控えている。
気を引き締めて、また一歩ずつ前へ進んでいこうと思う。
一人でやる仕事は、当然フォローもなく、重圧や責任がのしかかる。
それでも、自由に動けて気楽な面もある。
早くその“良い面”を満喫できるようになりたい。
今日の搬送は、自分のことで精一杯だったけれど、
「誰かの大切な故人をお連れしている」という感覚だけは、
これからも決して忘れないようにしたい。
私が搬送しているのは、誰かの思いなんだ。