2026年3月

3月の出来事

roku

暦は3月に入りました。まだ朝晩は冷えますが、最も寒い時期は過ぎ、朝に霜が降りない日も珍しくなくなってきました。
そんな頃、私より後に入社したDさんと一緒に仕事をすることになりました。

朝の洗車や準備を2人で行い、待機に入りましたが、なかなか出動指示は入りません。
寒い時期が過ぎつつあり、お亡くなりになる方も減少傾向で、繁忙期も落ち着き始めているからです。

それでも午前10時を過ぎた頃、1件の出動指示が入りました。
某老人ホームから安置所への搬送です。時間には余裕があったため、Dさんに運転をお願いすることにしました。私は助手席でナビを設定しました。


ところが、なかなか発進しません。ナビが示す道順を改めて確認しているようでした。待機中にも確認していましたが、もう一度見直していたのでしょう。時間に余裕があったため、私は黙って待ちました。

やがて納得したのか、車は発進しました。
しかし、運転にはややぎこちなさがあり、スムーズさに欠ける印象を受けました。正直、隣に乗っていて少し不安を感じましたが、私は何も言いませんでした。

老人ホームへは予定より早く到着しそうだったため、途中のコンビニで時間調整をすることにしました。
Dさんはトイレに立ち寄り、その際にコーヒーを買ってきてくれました。気を使わせてしまったのかもしれません。「こんなことしないでくださいね」と言いながらも、せっかくなのでありがたく頂きました。

そして老人ホームに到着し、故人をお預かりして車両にお乗せしました。ご遺族にお見送りいただき、安置所へ向けて出発する、その時でした。

Dさんが車両を前進させた際、施設出入り口の鉄製の扉に車両を擦ってしまったのです。はっきりと分かる大きな音がしました。さらにバックの際にも同様の音がしました。

その時、私は車両の外に立っていました。
私は「運転、代わりましょうか」と声をかけましたが、「大丈夫です」との返答でした。
明らかに動揺している様子は伝わってきましたが、そのまま対応してもらいました。

私は施設の扉を確認しました。わずかに変形していました。施設の方に「どういたしましょうか」とお尋ねしましたが、「大丈夫です」と言ってくださいました。どうやら過去にも同様のことがあったようです。その後、施設の方に促され、その場を後にしました。
私は途中で事務所へ、車両が施設で接触したことのみ連絡し、その後の搬送を終えました。

【車両と施設の状況】
車両の外観部分ではなく、車両下面と施設の門の一部が接触していました。双方にわずかな傷と変形が確認されました。

【1番大切なこと】
私たちは、故人とご遺族をお乗せして搬送することを生業とするプロドライバーです。
無事故であることは当然の責任です。
それだけでなく、周囲から見て安心できる運転でなければなりません。
今回の出来事は、誰か一人の問題ではなく、同じ車両に乗り、同じ現場に立っていた私自身の課題でもあると感じています。


私はこれまでも丁寧な運転を心がけてきましたが、改めて「スムース・スピーディー・セーフティ」を徹底したいと思いました。
また、車両周囲の安全確認はドライバー本人が行うのは当然ですが、二人体制であれば補助者がより積極的にサポートすることも重要です。
“任せる”のではなく、“一緒に確認する”。
その意識が足りなかったのかもしれません。


今回、ご遺族や施設の方の前で車両を接触させてしまい、関係者の皆さまにご迷惑とご心配をおかけしました。
この経験を無駄にせず、二度と同じことを起こさないよう、日々の業務に向き合っていきます。

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