2026年2月

病院の霊安室での長期安置について

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某病院の霊安室に、約2週間ほど安置されている故人がいらっしゃいました。
ご遺族のお迎えがなく、詳しい事情は分かりませんが、身寄りがない方なのか、あるいはご遺族が遠方にいらっしゃるのかもしれません。


通常、故人のお身体をお守りするためにドライアイスを当てますが、安置期間が長くなる場合は、定期的な交換が必要になります。
先日、私はその故人のドライアイス交換を担当しましたが、その際、対応について意見が分かれる場面がありました。


その病院の霊安室は地下にあり、冷房も稼働しています。また、時期は1月で気温も低いため、「ドライアイスは不要ではないか」という考えと、「ドライアイスが切れた以上、交換すべきだ」という考えがありました。


私は指示を受けて動く立場であり、意見を述べる立場ではありません。
ただ、口には出さないものの、心の中ではいろいろと思うところがありました。


もしかすると、この故人は無縁仏となる可能性もあります。そうなれば、葬儀社としては利益につながらないため、対応を最低限にしたいと考えるのも、商売としては理解できなくはありません。


しかし、ドライアイスを当てなければ、故人のお身体の劣化は確実に早く進みます。
その結果、臭気や体液の漏出が生じ、衛生面で問題が起こる可能性もあります。
けれど、それ以上に私が大切だと感じたのは、故人の尊厳です。
通常であれば、ご遺族の存在を意識し、できる限り良い状態でお身体を保つ努力をします。
では、ご遺族がいなければ、誰の目もなければ、という考え方をしても良いのでしょうか。
私は、そうは思いません。


故人を守ってくださるご遺族がいらっしゃらないからこそ、私たち葬儀社が、より一層しっかりと故人を見守るべきではないでしょうか。


安置期間が長くなってしまうこと自体は、やむを得ない事情もあると思います。
それでも、その間、少しでも良い状態で故人をお守りする努力は、欠かしてはいけないと感じました。
結果として、今回はドライアイスを追加で当てることになりました。ただし、それは「今日に限って」の対応であり、今後については明確に決まっているわけではありません。
今回のケースは、特殊な例だったのかもしれません。
それでも、葬儀社という立場にいる人間として、「例外だから」「対応が決まっていないから何もしない」という姿勢ではなく、今、自分たちに何ができるのかを考えられる存在でありたいと思います。
故人に寄り添い、故人の尊厳を守る。
そうした姿勢を大切にできる会社でありたいと、強く感じた出来事でした。

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