孤独死について
roku
霊きゅう車と億りびと
日時:2025年9月
場所:某病院
解剖後のご遺体搬送
今日は解剖後のご遺体搬送だ。病院に入る時間は11時と決まっていたので、余裕を持って出発した。
解剖されたご遺体を扱うのは今回が初めて。見た時の衝撃に耐えられるか心配だったが、とにかくやるしかないと思った。
病院に到着すると、担当の警察は既に来ており、解剖は進行中であった。
解剖は30分ほどで終了し、搬送準備を促された。霊柩車を解剖室前につけ、ストレッチャーを降ろして中に入ると、そこには大柄な男性が全裸で横たわっていた。頭、そして首から下腹部までが縫合された状態で、全身は濡れていた。急死とのことだが、つい昨日まで生活していたとは信じがたい姿だった。
水分を拭き取り浴衣をお着せした。
先輩が鼻と口に詰め物をする姿を、私は凝視した。
その後、ストレッチャーに乗せて霊柩車にお乗せし、ご遺族との会話を経て、ご自宅へと搬送した。
ご自宅には葬儀社が先に到着していた。自宅での準備は枕飾りを担当させて頂いた。
作業が遅くご迷惑をお掛けしたが、なんとか出来た。
感じたこと
自宅での作業が始まると急に慌ただしくなった。しかし、その慌ただしさの中でも、ご遺族の目にはどう映っているのかを意識し、故人にもご遺族にも丁寧に接していきたい。
今回のご遺体は急死。つまり、1日前まで普通に生活していた方だ。残されたご遺族には気持ちを整理する余裕すらないだろう。そんな中で私たちは準備を進めるのだ。
人はいつ亡くなってもおかしくない。逆に言えば、生きている今この瞬間こそが奇跡だ。だからこそ、1日1日を大切に、そこから沢山の感動と学びを得ていきたい。