2025年10月

遠方へのお迎え

roku

今日は他県へのお迎えとなった。
片道130km、朝10時から夜7時までの長丁場であった。

朝、事務所に電話が入り、
「**行きたい人〜?」という事務員の声に「行くよ」と答えた先輩がいて、
そのまま電話を代わって内容を確認していた。
通話を終えると、その先輩が私に向かって一言。
「一緒に行くよ。」

あん? 私は別の予定があったので、一緒に動く予定の別の先輩に相談すると、
「俺やっとくから行ってきな〜」と快く引き受けてくださった。
話さえ通れば何も問題ない。こうして、他県への同行が決まった。

長距離とはいえ、やることは普段と変わらない。
往復の大半は高速道路で、運転はすべて私が担当した。

病院は初めて訪れる場所で勝手が分からなかったが、
先輩が確認してくださり、指示のあった場所に車両を着けることができた。
病院スタッフの案内で霊安室に入り、故人・ご遺族と対面した。

故人は高齢の女性で、少しふくよかだった。
お体にはまだ温もりが残っており、その感触を感じながら、
私はベッドからストレッチャーへ静かにお乗せした。
顔当てをして、布団に包み、霊柩車までお連れした。
そして、ご遺族と病院スタッフにご挨拶を済ませ、車両をゆっくりと走らせた。

帰りも同じルートで走り、ご自宅に安置。
丸一日かけた搬送は初めてだったが、無事に終えることができてほっとした。
——もっとも、先輩が同行してくださったからこそ、何も問題が起こらなかったのだろう。

一日中の搬送で疲れはあったけれど、故人を丁寧にお送りできた安堵感が、何よりも大きかった。

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